
燐「……なあ、なんで朝晴がいんの?」

朝晴「ここは我が家ですから。私がいるのは当然かと」

燐「それもそうだな……なあ、じゃあなんで舞斗たちもいんの?」

舞斗「いやー、雨夜からヘルプがきてな? 俺たちも非常に多忙を極めてるわけだけど? 雨夜一人に背負わせるのは可哀想じゃん? 赤点二人のお世話をさ」

燐「すげームカつく……ムカつくけど、今回ばかりは俺が悪いから何も言えねえ……」

壱「一年生なのに、アッキーとミツまで来てくれたんだー。ありがとー」

光緒「えへ、赤点とかってマジであるんだーって面白くなって来ちゃいましたー♡ うちのグループはバカいないですから、からかい甲斐なくてつまんないんですよねー」

明「ちょ、流石に先輩にバカはまずいんじゃないの光緒ちゃん!?」

光緒「いやー、赤点取って参加禁止になるかもしれない人間にはこれぐらい言わないとダメでしょー。愛のムチですよ愛のムチ。なんなら見てよ、いっちーのこの感じを」

壱「雨夜と晴さんの家、やっぱり広くて綺麗だよねー。ね、後でみんなで探検しない」

道貴「は、壱先輩! 雨夜先輩から、何か! 何か黒いオーラが立ち上っています!」

ふかみ「ざわざわ……してる……夜の森みたいに……」

舞斗「普段は雰囲気とか全然ちげぇよなって思うけど、こうしてみるとやっぱ双子なんだなー」

燐「呑気に言ってる場合じゃねーぞ! これ以上雨夜を怒らす前に、ほら、勉強すんぞ、勉強!」

朝晴「さて、まずは現状の確認からですね。赤点を取りそうな教科について、それぞれ教えてください」

燐「え、俺たちの口から言わせんの……?」

朝晴「当たり前でしょう。我々が甘やかすとでも?」

燐「うえぇ……」

由比「勉学では、自分の現状をしっかり把握しているというのも大事だからな。朝晴殿の指導はここから始まっているというわけだ」

燐「……俺は、物理と化学だな。理数系があんまり得意じゃねえんだよ。イオンの反応がどうとか、全然わからねえ……」

由比「イオン反応は基本さえ押さえれば、後は計算だからな。数学が苦手でなければ大丈夫だろう」

燐「数学も苦手なんだよなぁ……」

由比「理系には少し心得がある。俺で良ければ一緒にやろう」

燐「猫、サンキュ……」