
永臣「お前さぁ、侃が首を縦に振ると思ったか? だから俺たちも最初から流してたんだろうが」

良和「別に僕はみんなで渋谷に繰り出そうって言ってるんじゃないよ!? 身内のささやかなホームパーティーだよ!?」

侃「おれに気を使わずに、他のみなさんで渋谷にでもなんでも繰り出していただいて、どうぞ」

帆波「あぁっ、侃くんの心のシールドがどんどん分厚くなってくのを感じるよ! どうしよう、粋くん! オレはイベント大好きだから割とやりたいけど! でも、やるならみんなでやりたいよ!」

粋「俺はぶっちゃけどっちでも良い派ですけど、ほっさんがやりたいならやりたいに一票」

秀「俺は柊迫と同じやりたくない派だな。仮装を用意するのもお菓子を用意するのも面倒くさい。小さい頃に十分ハロウィンは楽しんだ」

良和「やだ、しゅーちゃんは僕の味方をしてくれると思ったのに…!? この裏切り者!」

永臣「やりたいやつだけやればいいんじゃね? 俺も正直、仮装とか面倒いからパス」

良和「ふっきー! この流れを止められるのはふっきーしかいないよ! 別に仮装って言っても帽子被って黒いローブ着てくれればそれでいいから! むしろなんでヤなの? お菓子もらえるかいたずらできる、サイッコーのイベントだよ?」

侃「まず、ハロウィンという陽キャの象徴のようなイベントに、自分が参加するという概念が解釈違いで無理。万が一誰かに仮装している所を撮影されて、拡散でもされようものなら、おれは笑い者になって、もう一生外を出歩けないというリスクもある。
臣さんが仮装してるおれを見て、「おーおー似合ってんじゃん?」とか言って、ニヤニヤ小馬鹿にしてくるところも容易に想像つくし、それを考えただけで全力で引きこもりたくなる。はい、もうスリーアウトで絶対に無理だね」

帆波「そんな、オレたち小馬鹿にしたりなんかしないよ!? 撮影して拡散もしないよ!
それに万が一、撮影して公開したとしても、そんなに拡散はされないはずだから大丈夫! みんな一々、仮装してる侃くんのことなんて気にしてないよ!」

侃「おれが陰キャの癖に自意識過剰って言いたいってこと?」

帆波「いや、そういうことじゃなくて……! ただ、別にハロウィンで仮装するなんて、今時、陽キャとか陰キャとかに限らずみんなやってることだし、よっぽど仮装が本格的とか似合ってるとか、奇抜だとかじゃない限り誰からも注目されないよっていうオレは一般論を言いたいだけで……!」