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音楽喫茶の舞台裏 第2話
光緒「おはよーございまーす。今日はみちたかたちが来るんでしょー? あいつらも普段一緒に練習してるってのに、物好きですよねー。休みの日なんだし、どっか遊びに行けばいいのにー」
由比「普段の練習と観客の前で披露するとでは、我々の雰囲気もステージングも変わるからではないか?」
光緒「いや、それは分かるけど。それも含めて真面目ってか……いい子ちゃんですよねー、リルハピって」
ふかみ「いつも一生懸命、前に向かってて……眩しくて……ぼくたちも見習わなきゃね……」
舞斗「まぁ、フェイムは捻くれ者が多いからな?」
光緒「えー、捻くれ者って誰のことー?」
舞斗「筆頭が言うな、筆頭が。わざとらしんだよ」
朝晴「全くですよ。皆さんを率いる私が、いつもどれだけ苦労していることか……」
光緒「あ、ちょうど来た来た。明ー、言われてますよー」
明「正直、ここで光緒ちゃんが何かを俺に振ってくるのは雰囲気で感づいてました。がしかし! 内容までは把握してないし、面白い返しもできません! ごめんなさいおはようございます!」
由比「明は正直者だな。その真っ直ぐさと面白さを追求する姿勢はいつも見ていて気持ちがいいぞ!」
明「ありがとうございます!」
由比「同じぐらいアカペラも追求してくれると嬉しいのだがな」
明「きゅ、急に猫ちゃんのトーンが下がったな……」
由比「明、つかぬことを伺うが、昨日は何をしていた?」
明「えっと……ごめんなさい」
朝晴「連絡もなしに無断欠席。さぞかし重大な用があったのでしょうね……それも連絡一本寄越せないほどの急用が」
明「いや、あの……ごめんなさい」
由比「明。吐くなら今のうちだぞ。楽になれる」
明「す、すみません、すっかり忘れておりまして……」
舞斗「そんなこったろうと思ったけどな」
明「あの、よろしければ答弁を許可していただいても」
朝晴「許しましょう」
明「最初に朝晴ちゃんに今月の練習スケジュールをもらった時に、手帳に書いたんだけど、俺、最近手帳変えてて、その時に写し漏れちゃってたみたいで……」
光緒「えー、でもはるさんいっつも前日にリマインダーくれますよねぇ? それも逃すとかあります?」
朝晴「それで言うなら当日もですよね。我々が連絡を取ろうとしても、全然繋がらずでしたし、当然音沙汰もなし」
明「それはスマホを機内モードにして、ついでに通知も切っていたからです! ほんとにすみませぇん!」
光緒「あやしいなぁ? 浮気してた男でももちょっと小マシな言い訳しますよねぇ?」
明「違うんです、先生の新刊を読む日は本の世界に浸かりたいので、基本的にスマホは見ないようにしてるんです……見ると現実に戻っちゃうから……」
光緒「あぁ。そういえば、最近兄貴の新刊出たんですっけ」
明「そうなんです! あやまる先生の代表作のシリーズ、堂々ハッピーエンドで完結されたのでもう二人の行末を見守ることはできないのかぁ……なんて思ってたら! まさかの友達カップルでスピンオフとは! それもチラッと二人の近況が語られたりもして、もう大・興・奮! ファンとしてはこれ以上の喜びはないというか」
光緒「あーもう、それ以上はキモいのでいいでーす」
明「待って、あと少し語らせて!」
ふかみ「あきらくん……さっきから、嘘はついてないと思う……。あきらくんは嘘をつく人なんかじゃないし、それに、空気が……真剣で、素直だから……嘘をつく人は、もっと……もやがかかってる……」
舞斗「まあそもそも嘘つくまでもなく、普通に用事があるなら、用事があるから欠席するで済ませれば良い話だもんな。別に大会前ってわけでもないし、そこまで目くじら立てるやつはいねえよ。ただ俺が言いたいのは……」
ふかみ「あきらくんが、無事でよかった……。本を読んでたなら、幸せだから、もっとよかった……。」
舞斗「ほら、な。ふかみも由比も、おまえが事故にあったんじゃないかとか、病気してるんじゃないかとか心配してたんだからな?」
明「心配かけてごめん……」
由比「まあ、ミスは誰にでもよくあることだ。とにかく何事も無かったようで良かったぞ」
朝晴「そろそろ始業ですし、今回はこの程度で勘弁してあげましょう。昨日欠席したからには、今日はいつにもまして素晴らしいパフォーマンスをお願いしますね?」
光緒「オレの分までチャキチャキ働いてくださーい♡」
明「はいっ! 紫垣明! 頑張らせていただきます!」
朝晴「素晴らしいパフォーマンスをお願いしますとは言いましたが……」
光緒「別に明のオンステージにしろ、とは誰も言ってねーですよ!? おかげでオレがいつもより目立てなかったじゃないですか!」
明「す、すみません、ついつい張り切っちゃって……リルハピのみんなが来てくれるってのも知らなかったから……」
舞斗「そうか。昨日の練習で話してたことだから、おまえは知らなかったんだな。まぁ、いんじゃね? お客さん達は楽しそうだったし、俺は好きだったぜ、今日のステージ」
由比「そうだな。明の観客を巻き込む力は、俺たちには必要不可欠なものだ。流れを作ってくれるからな」
ふかみ「お客さん……すごい笑顔だった……幸せに包まれてたから、ぼくも良いと思う……」
光緒「いーや、みんな甘いですねぇ。特にまいと! センターがそんな、明が目立ってて良いなんて言っててどうするんですか!」
舞斗「俺はセンターになった覚えないけど……?」
朝晴「これに関しては、光緒君に同意しますね。舞斗君はセンターとしての自覚が足りなすぎます。MCも完全に明君と光緒君に譲って、自分はフォロー役に徹してしまっていたでしょう」
舞斗「いやぁだって、2人が完全に前へ前へだったから。これ以上前に出ようとする人間増えたら収集つかなくなるだろ?」
朝晴「もちろん、バランスを見て引くことは大事ですが。一回も自分が前に出ようとしないというのは問題ですよ。ステージングに関しても、完全に立ち位置がいつもより一歩後ろに下がっていました。せめてリードパートを取っている時ぐらい前のめりになってください」
舞斗「はーい……」
朝晴「もちろん、立ち位置を無視して前に出過ぎた明君と光緒君が一番悪いのは言うまでもないことですが」
光緒「それは明が目立とうとするから仕・方・な・く! ですよー。それにオレがセンター奪おうとするのはいつものことでしょ?」
朝晴「いつものことなのが問題なんです。アカペラはみんなで作り上げるものですよ。勿論、個々に目立とう、より印象を残そうという意識も大事ですが、何より協調性が重要です」
光緒「そこら辺は昔っから、オレとはるさん、気ィ合わないですよねー」
明「あんな団扇をルカちゃんに見せられちゃったら、もう我慢できなくなっちゃって……!」
由比「確かに、まさかリルハピのみんなが団扇を持参して応援するとは思わなかったな」
ふかみ「うちわ、キラキラしてたね……。誰が作ったのかな……パンダ師匠もつけてくれてて、嬉しかった……」
舞斗「あれで最前列にいるって、俺たちを動揺させる作戦かと思ったわ」
朝晴「休憩に入る前に壱君に確認したところ、『みんなからファンサを学びたいって話したでしょ? そのためには、ファンサをしてもらうための団扇が必要かなって思ったんだ』と言っていました」
舞斗「そういえば2週間ぐらい前の配信で、ゾウさんが自作うちわ作り配信をしていた時点で察するべきだったわ……あいつ絶対作りたかっただけだろ」
明「とにかく、昨日の無断欠席を挽回しなきゃと思って、張り切りすぎたのは反省します! ただ、お客さんの笑顔はいっぱい見られたので……」
朝晴「良しとして欲しいですか?」
明「うん……」
朝晴「仕方ないですね。……ただ、今回のステージはVadLipの皆さんとも比べられるものだということを、皆さんゆめゆめお忘れなきよう」
舞斗「VadLipなー。まぁ、あいつらも大概個性強いってか……あいつらこそ、協調性皆無じゃね?」
光緒「あのツンツン頭に協調性なんて言葉があるわけないですよ!」
朝晴「だからこそ、です。彼らと同じ「個」の路線で争うのではなく、我々はあくまでグループとして闘う……それが肝要だと思ってます」
光緒「オレは必ずしもそうとは……まぁとりあえず、あいつら、ギャフンと言わせたいのは確かですねぇ。……そうだ、良いこと思いついちゃいました♡」
由比「良いこととは、なんだ?」
ふかみ「みつおが……悪だくみしてる時の……空気……」
光緒「悪だくみなんて人聞きが悪い。オレはあくまでVadLipを応援したいだけですよぉ♡」
舞斗「邪悪な顔してんなぁ」
光緒「みんな、オレに協力してもらいますからねぇ? 特に明は昨日と今日の分、たっぷり貢献すること」
明「はい……」
朝晴「皆さん私を鬼だとか暴君だとか言いますが、どう考えても光緒君の方が暴君ですよね? 私は賢君です」
舞斗「ノーコメントで……」
「アオペラカフェ -In Music Cafe-」について

【開催期間】
2023年3月4日(土)~2023年3月30日(木)

【開催場所】
グランドスケープ池袋2F
https://grandscape-ikebukuro.jp/

【抽選について】
申し込み期間:2023年1月22日(日)20:00~2月6日(月)23:59
当選発表:2月8日(水)18:00予定

詳細は「アオペラカフェ -In Music Cafe-」特設サイトをご確認ください。 特設サイト
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