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音楽喫茶の舞台裏 第3話
侃「無理……もう無理……疲れた……帰りたい」
永臣「……………………」
粋「流石に今回はボスも何も言えないよねぇ。遅れた大寒波による雪の影響で食材の配送遅延、社員1名インフルエンザ、俺たちは入って早々に手伝いで荷物運びに手伝いと、予定以上に働いたもの」
秀「この雪でも来てくれたお客に料理を提供できたのは奇跡だな」
粋「代償でこっちは死に体だけどねぇ。俺もさすがに疲労困憊よ。元気なのは……」
帆波「うわあ侃くん大丈夫!? 動けないならオレがソファまで運んで行こうか!? 侃くんなら抱っこできると思うから任せてよ!」
侃「いい、やめて、恥ずかしい。おれに構わないで」
帆波「こんな時に遠慮しなくていいって! ほらほら!」
侃「これが遠慮に見える? ほっといて欲しいって言葉通りの意味だから。ちょっと臣さん、粋さん、見てないでほなさんを止めてよ」
永臣「やめとけ大里、午後のライブ前にこれ以上体力使わせんな」
侃「そうそう。帰る元気さえないことに感謝してほしいくらいなんだから」
永臣「帰んな。ったく、お前はもちっと体力つけろ。せめて立て」
粋「元気が有り余っちゃってるほっさんの代わりに、それなりの体力の俺の手で良ければどうぞ?」
侃「そんなこと言って、粋さんも結構往復してたわりには元気そうだけど」
粋「本屋のバイトも体力勝負なところあるからねぇ、重いものはそれなりに? 卵とか気を使わないといけないものがあるから、気の遣いどころの違いに堪えてるけど」
侃「そうは見えないけどね。もう一人の元気な人はどこ行ったの」
良和「しゅーちゃん見て見て~! ホイップクリームこんなに盛れたよぉ! 僕ってば才能あるくな~い?」
秀「食べ物で遊ぶな。どうするつもりだ、そのクリームに押しつぶされたプリン」
良和「え? 食べるけど? 食べる以外になくない? 疲れた時には甘いものだから、用意してきたんだよぉ~? プリンは数が足りないって言うから、プリン1個にクリーム6人前でお届けで~す」
秀「そこだけ増やしてどうする。見るからにバランスが崩れてるだろ」
良和「みんなで分け合ったらそんなの気にならないって。僕たちの青春の1ページ、作っちゃおうぜ。ってことではい、みんなスプーン持ってー!」
永臣「せめてその皿をテーブルに置け。なんでお前の手から食わなきゃなんねえんだよ」
良和「ちっちゃ可愛い天使のハンドパワーが伝わって、も~っと癒されるでしょ?」
永臣「んなわけあるか。ただひたすら取りづれえ」
侃「臣さん、その状態でも食べようとはするんだね……」
粋「配分はさておき、ひーさんの好物が詰まってるからねえ」
永臣「ハァ? 流石に疲れたから糖分とっときてえってだけだ」
良和「いいのよいいのよ、たーんとおあがりなさい。あ! メイドさんみたいにラブ注入もしとく~?」
永臣「うぜえ。いいからさっさとそこに置け」
良和「ワガママさんなんだからぁ。わかりましたよ~っと」
粋「あのさ、このクリームの山はそもそも何なの? 和さんがオーダーミスで錬成しちゃったとか?」
良和「違うよ~。オーダーミスなんてするわけないじゃん。僕、失敗しませんので!」
秀「冷凍ソースを袋ごとオーブンにかけようとしたやつにそれを言う資格はない」
永臣「お前は金輪際、電子レンジに近づくな」
良和「ガッとあっためたほうが早いかなって思ったの~。失敗は誰にでもあるって」
侃「失敗しませんので、はどこ行ったの」
帆波「良和くんにはキッチンの常識が通用しないだけだから、そんなに責めないで!」
粋「それは飲食バイトでは致命的なのよ。俺らは基本ホールで接客だから助かってるところあるけどねぇ」
永臣「で? 結局これは何なんだ」
良和「これは、頑張った僕たちへのスペシャルボーナスでーす! こんなのでごめんね、って言われちゃったけど、クリームもりもりでイイ感じっしょ?」
粋「なるほどねぇ。後で店長にお礼言っとかないと。ただでさえ、サボり魔、破壊魔と従業員としてはどうかと思うのばっかり置いてもらってるのにねぇ」
侃「おれがサボり魔だって言いたいわけ? そりゃあ上手くはいってないけど、最初から向いてないって言ったおれを連れて来た臣さんのせいじゃない?」
永臣「最初に話を持ってきたのは反郷だ。仮に百歩譲ってお前のことは俺の責任だとしても、伊佐の破壊魔は俺の責任じゃねえだろ」
侃「そこ譲るんだ……。別におれのことはおれの責任でいいんだけど。それじゃあ和さんのことは秀さんの責任てことでいい?」
秀「なんでそうなる。こいつのしたことはこいつ自身の責任だろう」
良和「えー、やだやだ! しゅーちゃん、僕のことは一生面倒見てやるって言ってくれたじゃない! あの日のことはウソだったのっ!?」
秀「いつの日のことだ。ありもしない記憶を捏造するな」
良和「すんすん。最近、彼ピが冷たいんです。これって浮気なんですかあ?」
粋「よしよし。泣かないで、可哀想に。ただの倦怠期ってやつですから、そんなに気を落とさないで」
良和「ぴえんぴえん。僕もう実家に帰らせていただきますっ!」
秀「実家には毎日帰ってるだろう」
良和「ぴえーーーーーーん」
永臣「うるせえ! いい加減にしろテメエら。クリームがまずくなんだろ」
帆波「臣くん、いつの間に抜け駆けしてるの!? 好きだからって独り占めはよくないよ!」
永臣「好物とかじゃねえってつってんだろ。だらだらしてたら溶けて勿体ねえってだけだ」
粋「ご厚意を無にしたら申し訳無いもんねぇ。さすがボスは義理堅いなぁ」
永臣「くだらねえ茶番もほどほどにしろ。夕方のライブまでにまだ働かなきゃいけねえんだ。テメエらもさっさと食って体力戻しとけよ」
侃「天候戻らないけど、このあと人来ると思う?」
秀「店を開けている以上は備えたほうがいいだろ」
帆波「ファンの子たち大丈夫かなあ。無理しないといいんだけど」
永臣「事情なんて考えても仕方ねえだろ。来たやつには俺らの最高の歌を聞かせる。それだけだ」
粋「さっすがボス。それじゃあ、まずは、このクリームの山を分け合って英気を養うとしますかねぇ」
侃「聞いてない。本当にあれは聞いてないんだけど。どういうことなの」
永臣「俺だって知らねえよ、どうなってんだ反郷」
粋「俺に言われてもねぇ。お客さんが少ないまでは予想してたけど、ファン0、敵情視察100なんて状況は想定できないでしょ」
帆波「リルハピとフェイムの子たち、リムジンで来たんだって! 帰りに困るようならお送りしましょうかって言われちゃったよ。クローズがなければ乗れたかもしれないのに、残念だったなあ」
永臣「乗りたきゃテメエだけ乗っていけ。俺は絶対に御免だ」
良和「そうカリカリしなさんなってー。リムジンなんて乗れないよフツー? 生配信オッケーなら僕も乗りたかったなあ」
帆波「セキュリティ上の都合で断られちゃったもんね。お金持ちって大変なんだなあ」
良和「全モザならオッケーって言ってくれたけどー」
粋「それ、断るのを見越した条件付けでしょ。本当にやってくれるよねぇ」
秀「あいつらに接客の一挙手一投足まで観察された気がするな」
永臣「あの腹黒とチワワ、皿の出し方にまでいちいち文句つけやがって。ミリずれてるとかテメエが机に置いたスマホが邪魔なんだろうが!」
侃「指名されて素直に出て行った臣さんを尊敬する」
永臣「行かねえのも癪だからな」
帆波「ご飯はもっと平和に楽しむもんだと思うんだけどなあ」
良和「そうそう。自由にハッピーにってね。ライブ中はみんな楽しそうにしてたじゃん」
秀「あいつらが手に持ってたうちわが気にはなったけどな」
良和「あれは僕が配信で自作うちわ作ったの見て、鈴宮のすーちゃんが真似してくれたんだって! 嬉しいなあ~!」
永臣「お前のせいかよ。お前は作る側じゃなくて作って貰う側だろうが」
良和「作って貰ったおかげで今日のHBBもキレッキレだったでしょ~? みんなもイイ感じに歌ってたし」
粋「うちわのせいなのか、おかげなのかは賛否分かれると思うけど、否定はできないよねぇ。いいパフォーマンスだった自信はあるもの」
帆波「今度は逆にオレたちみんなで、他のグループの日に見に行くってのはどう?」
粋「敵情視察の仕返しってこと?」
帆波「みんなで見に行ったら楽しそうかなってだけだよ?」
粋「うーん、ピュアな返事。流石ほっさん。俺はアリだと思うけど、どうします? ボス」
永臣「ハァ? 行きたきゃ行けよ、興味無え」
良和「えー、みんなで行こうよ。うちわなら僕が全員分用意してあげるから」
永臣「持たねえよ。行くだけならつきあってやらなくもねーが、それはマジで勝手にやってろ」
侃「おれもいらない。目立ちたくない」
帆波「みんな持ってる中で持ってなかったら逆に目立っちゃうよ?」
秀「なんで全員持つことが前提なんだ」
帆波「え、みんなでやるんだと思ってたけど違うの!?」
粋「そこは自由でいいと思うけど、ひーさんがうちわ持ってたら流石に動揺するんじゃないのあの糸目。と思うと、持って欲しさはあるよねえ」
良和「任せて任せて。ビッカビカの凄いの作っちゃうから」
永臣「持たねえっつってんだろ!」
「アオペラカフェ -In Music Cafe-」について

【開催期間】
2023年3月4日(土)~2023年3月30日(木)

【開催場所】
グランドスケープ池袋2F
https://grandscape-ikebukuro.jp/

【抽選について】
2次抽選実施中
応募期間:2月10日(金)18:00~2月17日(金)23:59
当落発表:2月20日(月)18:00

詳細は「アオペラカフェ -In Music Cafe-」特設サイトをご確認ください。 特設サイト
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