アオペラカフェ-Seaside House-

×月××日
夏休み
海の家オープン前

帆波 「臣くん、侃くん、そっちの床のモップがけ終わった？」
侃 「あとちょっと……。」
帆波 「どしたの？　朝から元気ないね。ほらほら、周り見てよ。今日も朝から快晴で、海も空も青い！　風も気持ちいい！　いかにも夏！　サマー！」
侃 「夏なんて陽キャの季節じゃん。一歩も外を出たくないのに、なんでおれまでバイトに誘うの……。」
永臣 「バイト代で欲しいもん買えるって、わりと二つ返事だったと思うけどな。」
侃 「おれは、キッチン担当だって聞いてたんだ。それならあんま人前に出ないしってオッケイしたのに……和さんに騙された……。」
良和 「やだもー！　人聞きわるーい！　僕、ふっきーはキッチン「も」担当だよーって言いましたー。」
侃 「くそっ……。」
粋 「まあまあ。バイトも後半戦になって、まだグチグチ言うのもね。それにここのバイトは時給もいいし、食事も飲み物も支給してくれますし。テイクアウト用の屋台も隣にありますが、こうしたカフェもあって涼しいですし？　休み時間は目の前の海で遊ぶのも可。高待遇もいいとこですよ。」
秀 「あっちに、釣りが出来る場所もあったぞ。今度釣り竿を持って来て、バイト後に寄ってみるのもいいな。」

帆波 「お店もインスタ映えな内装で、若者をターゲットにしてるからなんか新鮮。いつものバイト先は、ファミリー向けだもん。全角度から料理とドリンクの写真撮りまくってるの見るの、面白いよ。」
侃 「……それはいいんだけどさ。お客さん、一緒に写真撮ろうとかたまに言ってくるよね。個人情報聞き出そうとしてくるし、なにあれ怖いんだけど。」
秀 「とくに春宮、反郷、伊佐が声をかけられる率が高いな。親しみやすいのか？」
良和 「おひとり、親しみやすいは絶対当てはまりませんが？　ねー、ひーちゃん。」
永臣 「あ？　しゃべってないで、手ぇ動かせ。終わんねえ。」
良和 「ひーちゃん、真面目は真面目なんだよねえ。ていうか声かけてくるお客さんって、僕たちを大学生ぐらいに間違えてんの。」
秀 「背も高いからな。」
粋 「プラス、顔が良いから声を──。」
帆波 「みんな、顔がおっさんだもんね！」
良和 「言い方よ！」
秀 「せめて大人びている、ぐらいにとどめておけ……。」

永臣 「おこちゃまに見られて悔しい5歳児が騒いでるだけだろ。」
帆波 「別に悔しくないし！」
秀 「心配するな。5歳には見えないし……春宮も、さすがに客相手には怒鳴ったりしないんだな。」
良和 「写真撮ろうって囲まれたの最初見た時、あ、やべーかも？　って思ったけど、「断る」でどっか行くほう選んでたじゃーん？」
永臣 「女こども相手に大声出さねえし、普段から怒鳴ってねえよ。」
帆波 「そういう自制が効くなら、リルハピくんとフェイムくん相手にも怒鳴るのやめてよぉ。せっかくみんなでバイト出来てるんだしさ、仲良くしよ？　ね？」
永臣 「断固で断る。」
侃 「喧嘩はしないけど、おれも関わるのは断る。……もうさ、ほんとさ、なんなのあの人たち。着てるもの少ない水着なら発光が減るかと思ったのに、体内からなんか出てるの？　ビーム？」
秀 「色が白いから、太陽の光を反射してるんじゃないか？」
良和 「真顔でおもろいこと言い出した！」
侃 「ふぅん……そういうシステムなんだ。」
良和 「こっちはこっちで納得しちゃってるし！　ふたりとも、サイコーでぇぃっす！」

永臣 「なにサムズアップしてんだテメエは。つか、掃除終わったぞ。」
帆波 「んじゃ、椅子おろすの開始！　こっち終わったら、今日はキッチンがリルハピくん担当で、向こうの売店とテイクアウトの屋台がフェイムくん担当だからね。手伝えることあるか、聞きにいこう！」
侃 「それはいいんだけど……ほなさん、いつにも増してテンション高くない？」
粋 「今日のバイト後、3グループ全員でお祭りに行くのが楽しみで楽しみでしょうがないんですよ。」
秀 「出店がたくさん出るんだったか。」
帆波 「うん！　みんなも行くでしょ？」
侃 「……チョコバナナ食べたい。」
永臣 「だってよ。仕方ねえから、俺も付き合ってやるか。」
粋 「果たして素直じゃないのは、どっちでしょうねえ。」
良和 「楽しいならどっちでもいんじゃね？」
帆波 「そうそう！　さ、あんま時間ないしオープンの準備続けよう！　で、お仕事頑張ったらお祭りだー！」

「アオペラカフェ-Seaside House-」について

【開催期間】
2023年8月5日（土）～2023年9月3日（日）

【開催場所】
グランドスケープ池袋地下1F
https://grandscape-ikebukuro.jp/

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