
壱: 「わー! かわいいねー! 誰が作ったの?」

光緒: 「オレの考えたマークでーすよー!」

ルカ: 「へー! これは、五線譜と音符をモチーフにしてるの?」

光緒: 「せーいかーい! ルカルカ、センスいーでーすねー!」

燐: 「あー! これあれか! 五線譜が羽みたいになってんだな!」

朝晴: 「親しみやすさと、軽やかな音楽のイメージが共存していますね」

雨夜: 「うん、僕もいいと思う!」

光緒: 「ふふふーん。存分にほめたたえてもらっていいですよー」

由比: 「ごほん! このマークは確かに素晴らしいとは思うが――」

舞斗: 「マークができてるなら、俺らが集まる意味なくね?」

光緒: 「ちっちっち!もうひとつ作りたいんですよねー!」

光緒: 「こっちは仲間うちの親しみやすさ中心で――」

雨夜: 「……もう一方は合同ライブ公式のマーク、というような?」

光緒: 「その通りでーす!」

光緒: 「公式マークは、知り合いの凄腕デザイナーさんにお願いする予定なんですが」

光緒: 「ベースになるアイディアはオレたちで考えないと! でーすかーらねー」

燐: 「そういうことなら――! はい! はい!」

光緒: 「はい、リンリン」

燐: 「燃える炎とかどうだ? 情熱を表現って感じでさ!」

朝晴: 「申し訳ないのですが、少々発想が単純でありきたりですね」

燐: 「すげえ丁寧に辛辣な言葉をお出ししてくるな!?」

朝晴: 「ですが、最初にアイディアを出す勇気、素晴らしいと思いますよ?」

燐: 「お、おう……まあ、それほどでもねえけど……!」

明: 「出た……! FYA’M’名物、朝晴ちゃんのアメとムチ!」

光緒: 「他には、なんかアイディアないですかー?」

舞斗: 「FYA’M’もリルハピも違った輝き方だし……なかなか難しいな」

ルカ: 「あっ! でも『輝き』っていうのはキーワードかも。しっくりくるよ?」

由比: 「そういう単語でいいのなら『絆』という要素もぜひ入れたい!」

道貴: 「せっかくの合同ライブですしね! 『絆』すごくいいと思います!」

雨夜: 「うん。『輝き』も『絆』もいい響きではあるね」

朝晴: 「しかしまだ決定打にはかける、という感じでしょうか……」

燐: 「それっぽく評価してんなー! さすが宗円寺兄弟……!」

舞斗: 「会社の企画会議とかってこんな感じなんだろうなあ」

明: 「うーん。この合同ライブの魅力がひと目で伝わるようなマークだよね……」

ふかみ: 「あ、あの……パンダをモチーフにするのは……どうかな」

雨夜: 「どうして……パンダなの?」

ふかみ: 「か、かわいいから……! だ、ダメかな……」

光緒: 「っ! いいですね! それでいきましょう!」

舞斗: 「それでいきましょう! にはならねえだろ! パンダはかわいいけれども!」

朝晴: 「……悪くないアイディアですが、別案も探してみましょうか?」

ふかみ: 「ご、ごめんなさい……!」

明: 「いいのいいの。愛されてるってことなのよー!」

光緒: 「んー……でも、なかなかこれだ! って感じにならないでーすねー……」

雨夜: 「うん。後日また集まることにする?」」

壱: 「……そうだ!」

ルカ: 「ん? どうしたの、壱くん」

壱: 「ふたつのバンドが違った輝きを持ってるって、舞斗言ってたよね」

壱: 「それにミャーくんは絆って――これをがっちゃーんってさせるのはどう?」

朝晴: 「組み合わせる、ということですね? ふむ……悪くないですね!」

雨夜: 「うん、その考え方で進められそう!」

壱: 「ふふ、ありがとー」

道貴: 「じゃあ、あとは輝きと絆……を、どう表現するかですね!」

明: 「輝き……輝いてるものと言えば――」

ルカ: 「宝石……とか?」

明: 「あ、それいい! 宝石!」

明: 「じゃあじゃあ、リルハピは5人で五角形! FYA‘M’は6人で六角形ってどう!?」

ルカ: 「それ、すごく素敵だと思う!」

光緒: 「ああ! ふたつのバンドの個性も表現できてるし、いいじゃないですか!」

明: 「いえーい、褒められた―!」

由比: 「輝きは『宝石』か。では……絆はどう表す?」

ふかみ: 「あ、あの……ふたつの宝石が、重なり合って――」

ふかみ: 「ハートの形になるっていうのは、どうかな……」


燐・舞斗: 「それだーーー!!」

由比: 「うむ! よい案だな!」

光緒: 「さっすがふかみん、でーすねー!」

ふかみ: 「あはは、あ、ありがとう」

朝晴: 「どうやら、決まりのようですね」

壱: 「うん、僕たちも異論ないよ」

朝晴: (ふむ、ふたつの輝きが重なり合うというのは――)

朝晴: (2つのバンドの『リスタート』という意味でも悪くない……)

雨夜: 「兄さん? どうしたの?」

朝晴: 「ふふ、なんでもありません。いい案だと思っただけですよ」

光緒: 「それじゃ、ふたつの宝石が重なってハートになる! この案でいきまっしょー!」
一同: 「おーーーーーー!!」